弁護士石井です。
先日、自己破産の免責不許可決定を見ました。
許可ではなく、「不」許可です。
事務所の事件ではなく、破産管財人として関与したものでもありません。
法テラスの審査で、他の事務所が担当した事件の結果を見たのです。
幸いなことに、当事務所で依頼を受けた事件で、免責不許可になったケースはなかったので、不許可決定というものを初めて目にしました。
もちろん、判例集や文献等で、不許可になったケース、それが高裁で覆ったケースの研究はしています。
しかし、生の裁判所の印鑑が押してある決定(コピーですが)を初めて見て、つい、「免責不許可だ!」と1デシベルほど大きい声でつぶやいてしまいました。
一緒に審査を担当していた弁護士も、倒産法に詳しい先輩だったのですが、「えー、見せて見せて」と同じく興奮していました。
まあ、印象としては、刑事事件の無罪判決よりもレアですね。
ポケモンGOで、厚木市内でピカチュウを3連続見つけるようなもんです(よく分からないけど、きっと)。
しかも、破産管財人が選任されていての不許可という結果です。
よほどの事件でない限り、免責不許可事由があっても、裁判官の裁量免責の可能性があります。破産管財人が選ばれれば、裁量免責相当の意見を書いてくれるよう働きかけます。
破産手続中、誠実な態度を取っていれば、不許可にはなりにくいです。
また、そもそもが不許可にしかならない、というケースでは、破産という選択を避けると思います。
何でこんな結論になってしまったのか、限られた資料を元に、先輩弁護士と話しましたが、私自身の感覚自体は間違っていなさそうでした。
不許可決定は、高裁で覆ることも多いので、この債務者の問題もうまく解決されていれば良いなぁと感じます。
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