弁護士石井です。
消費者問題ニュース186号に掲載されていた、運転免許証の悪用と過失責任についての裁判例の紹介です。
さいたま地裁熊谷支部平成30年9月19日判決です。
●事案
劇場型詐欺。 現金2000万円を手渡しの被害。
欺罔行為に使われた携帯の電話番号の契約者を調査し、契約の際に使用した運転免許証の名義人にも共同不法行為の損害賠償請求をしたものです。
名義人は、自分の免許証がどこかから流出し、悪用されたと主張。
しかし、具体的な主張・立証まではしなかったようです。
●判断内容
悪用されたと主張する者は、悪用された可能性のある状況等を具体的に主張立証する責任を負う。
悪用された事情を具体的に主張立証できない場合には、第三者に悪用されたことにつき、少なくとも過失があると推認できる。
として、過失責任を認定しています。
免許証を安易に渡したりすると多額の責任追及をされるリスクがあると頭に入れときましょう。
また、紛失などの場合には、具体的な主張・立証をできるように、届出をしておくなど、しっかり対応をしておくべきです。
みなさま、お気をつけください。
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