成年後見人は被後見人が死亡した後、何かするのか

弁護士の石井です。

成年後見人になった後、被後見人(対象になった人のことです)が死亡した場合、後見は終わりです。

財産管理権なども消滅します。

この場合、家庭裁判所に終了報告をして、後見終了の登記もしてもらわないといけません。
さらに、終了時の財産状況を権利者に報告したりする必要もあります。

弁護士などの専門家が成年後見人になった場合はよいのですが、家族など一般の方が後見人になった場合、被後見人が亡くなったことで、「終わった-」とだけ思って、何もしない、となってしまうことがあります。気をつけてください。

最近では、被後見人が亡くなったという相談を受けたので、家庭裁判所への報告の話をしたところ、後見人になってから一度も報告していないばかりか財産目録の提出も一切していない、という方がいました。

家庭裁判所も事件が多いと、手が回らず、報告がなくても催促できないということがあります。

報告がない成年後見人のなかには、残念ながら親族のお金を使い込んでしまうという犯罪行為に手を染めてしまう方もいるのです。

そのような事件が続いたことから、後見制度支援信託が開始されました。

しかし、これだけでは完全に犯罪は防げません。

親族だから、後見人だから、少しくらい大丈夫、なんて思わないようにしてくださいね。
人生が変わっちゃうかもしれませんから。

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