弁護士の香崎です。
最近、時々昼食に行く中華料理屋では、珍しいサービスがあります。定食を注文した
客に、くじ引きサービスがあるのです。
先日、3回目くらいの挑戦で、当たりが出ました。
おお、昼食が500円で済んだ。
私は天にも昇る気分でした。
(なお、もとの金額は750円です)
賭けごとは、犯罪になることもあります。今回の「当たり」をきっかけに、刑法の
賭博罪のところを読んでみました。
刑法第185条 賭博罪
「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供す
る物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
この「賭博」について、西田典之「刑法各論」(弘文堂)ではこう説明されています。
「賭博とは、偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為をいう。」
私のやったのも、賭博になりそうです。しかし、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとど
まる」ので、結局罪には問われないでしょう。
しかし、こんな犯罪、実際に立件されているのでしょうかねえ。試しに、裁判例のデー
タベースで平成以降のこの罪の事例を検索しました。結果、出て来たのは、23年間で、
2件。もっとも、このデータベースは全事件を1件残らず収録しているわけではないと
思いますが。ちなみに、186条の常習賭博罪は8件でした。
ところで、私が今まで聞いた賭けごとで、一番豪快だったのが、知人が高校3年生の時
に友達とやったという、トランプで「受験校」を決める賭け。結果、その知人はそれまで医
学部志望だったのが、賭けの結果、某大学の経済学部に決まってしまい、彼は潔くこれ
を受け入れ、結果、その大学の経済学部に進みました。ううむ、すごい。これにはうなり
ました。
とは言っても、人生はもともと思うように行くものではありません。自分自身のことを振り
返っても、賭けではないにしても、いくつもの偶然によって今に至っています。まあそうだ
としたら、過去にあった運命の分かれ道(と思えるようなこと)は記憶や教訓としてだけ残
しておいて、今この瞬間は、目の前にあることに全力で取り組むのがよいでしょう。
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