不動産賃貸経営のリスク

弁護士の香崎です。

不動産について賃貸経営をすることは、色々なリスクを伴います。

当事務所にも、
「部屋を人に貸したが、途中から賃料を払わなくなり、出て行ってもくれない。」
等の相談が時々持ちこまれます。

こういう事態になると、借主を相手に訴訟を提起、訴訟中に別人に引き渡されな
いよう仮処分をかけ、勝訴判決を得て強制執行と、時間も手間も費用もかかりま
す。

この手間を省いて手荒な方法で追い出すと、後で損害賠償請求をされることも

あります。先日、朝日新聞(3月10日)でそんな記事が小さく出ていました。

見出しがすごい。「着の身着のまま強制退去は違法」。

「マンションの家賃を滞納したところ、家財を残したまま退去を強制されたとして、

埼玉県所沢市の男性が約1060万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁
(唐木浩之裁判官)は9日、マンション管理会社(西東京市)などに220万円
の支払を命じた。
判決によると、男性は2002年8月に賃料5万6千円のマンションに入居した。
04年に勤務先の人員整理で退職。07年2月分から滞納した。そのため、同年
6月に管理会社から退去を迫られた。会社側は家財を廃棄。男性は3カ月間の

路上生活を強いられた。
判決は会社側の対応について「脅迫行為がなくても、負い目のある借り手に法的
手続きをとらず、着の身着のままで退去を迫るのは社会的相当性を欠く」と述べ、
違法と認定した。」

常識的には、約束した家賃を払わないで住み続ける者の方が悪いのですが、貸主
側も、自分の権利の実現には大変な手間と費用がかかってしまうのが現実なので
す。気をつけましょう。

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