弁護士石井です。
『インターネット関係仮処分の実務』という本をチェックしました。
この仮処分は、ネット絡みの名誉毀損、肖像権侵害、著作権侵害などで、相手方に損害賠償請求をする際に使うことが多い手続きです。
本の中では典型的なプロセスが最初に紹介されています。
・コンテンツプロバイダに対する仮の削除
まず、ネット上にある情報が権利侵害のものであるとして、ネット上から消してもらい、被害を減らす方法です。
その後に、相手を特定するための手続きに移ります。
・コンテンツプロバイダからの仮の開示
発信者のIPアドレス、タイムスタンプ等の情報を仮に開示させる手続きです。
この開示により、経由プロバイダを特定できます。
・経由プロバイダに対し、情報消去禁止仮処分
経由プロバイダが、発信者の情報を持っていることになりますが、その情報は、通常、一定期間が経過すると消去されてしまいます。
そのため、消去しないよう求める仮処分です。
・経由プロバイダに対し、開示請求の民事訴訟
相手方の情報開示については、保全の必要性の観点から、仮処分ではなく、民事訴訟で求めていくのが一般的とのことです。
これで、ようやく相手方の情報が開示されることになります。
開示された情報に基づき、損害賠償請求などをしていきます。
仮処分については、裁判所に一定額の担保を提供することになります。
発信者情報開示または消去禁止の仮処分では、10~30万円程度、
投稿記事削除の仮処分だと30~50万円程度とされています。
資金との関係でどこまでやるかという問題ですね。
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