消費者金融から批判される弁護士

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弁護士石井です。

「借金減らす債務整理で弁護士が「義務違反」 消費者金融が連名で批判」という記事が最近出ています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc172dcdc667205ad12b339f28295bab9f17adaa

消費者金融の意見書は昨年のもの。

債務整理における弁護士の対応問題とその影響

消費者金融大手4社(アコム、アイフル、SMBCコンシューマーファイナンス、新生フィナンシャル)が、債務整理を行う弁護士が依頼者と直接面談せず、依頼者に不利益が生じているとして、日本弁護士連合会(日弁連)に対応を求める意見書を提出したとの報道です。

直接面談をしないでの受任は、日弁連の規程に反する行為であり、ネット広告を利用して全国から依頼者を集める一部の弁護士事務所が問題視されています。

消費者金融

債務整理の面談義務

日弁連の「債務整理事件処理の規律を定める規程」では、債務整理を受任する弁護士には依頼者と直接面談し、対応策や見通しを説明・報告する義務があります。
しかし、消費者金融大手4社によると、この規程に違反する事例が多数見られ、特に遠方の依頼者との面談が怠られていることが指摘されています。
このような状況は依頼者に不利益をもたらす可能性が高く、日弁連はこの問題に対して厳しい対応を求められています。

面談義務の理由

債務整理の問い合わせでも面談義務の話をすると、じゃあいいです、と言われることが結構あります。
どうして面談が義務付けられているのでしょうか。

債務整理において、弁護士が依頼者と直接面談せずに処理することは、依頼者の権利や利益を著しく損なう可能性があるとされます。

具体的には、
情報不足: 依頼者が自身の状況や債務整理の詳細について十分に理解できない。
適切なアドバイスの欠如: 個別の事情に応じた適切なアドバイスが受けられない。
信頼関係の欠如: 依頼者と弁護士の間に信頼関係が築かれず、依頼者が不安や疑念を抱く。
などと言われます。

まあ、確かに、LINE・メールなどの文章、音声、動画、リアル面談の順で情報量は増えていくとされ、情報量が多いほうが、適切な対応はしやすいのは確かです。利便性の問題はあるんですけどね・・・

Zoomなどでもダメだと言われます。

日弁連の対応

日弁連は、取材に対し、「意見書で指摘された規程の運用は重要と認識している。更なる周知発信をしていく」と回答しました。これは、日弁連が規程違反の問題を重く受け止め、今後の対応を強化する意向を示しています。
日弁連からは、定期的にメールなどが来て、Zoomなんかじゃダメよって連絡が来ます。
問題とされる事務所は、そんなの見てないんでしょうね。

これ以上は、個別対応になるんでしょうか。

面談なしでの債務整理

債務整理の相談の中では、過去の任意整理で、電話だけだった、LINEだけだった、面談していない
なんて話をたまに聞きます。
連続してそんな話を聞くと、あれ、あの面談義務ってついに終わったのか?と感じたりしますが、調べてみると、しっかり生き残っています。

消費者金融も何とかしてくれ

報道によれば、今回の消費者金融の意見書には
「多重債務者の最たる味方であるはずの弁護士が、義務に違反して多重債務者の利益を損なわせているおそれがある現状は看過できない」
との記載があるようです。

消費者金融も、多重債務者の利益を考慮してくれるようですので、
アイフルさんにおきましては、任意整理で将来利息をつけないと和解しないとか言ってくる対応をやめていただき、
新生フィナンシャルさんにおきましても、全社的に将来利息がない和解はしていないなんて主張は出さないのはもちろん、交渉中なのに、一方的に裁判を起こしてくる対応を転換していただきたいと思うところです。

多重債務者の利益を損なわせているおそれがある対応をしてきた消費者金融さまには、今回の意見書の内容をぶつけ、しっかりと多重債務者の利益も考慮していただくよう伝えるようにしたいと思います。

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