弁護士石井です。
先日、300万円以上の過払い金を依頼者にお返ししました。
うちの事務所では、どんな事件でも、返金の際に、振込か手渡しか選べますが、高額の場合には振込を勧めています。
今回も、かなりの金額なので、銀行振込の方が良いのではないかと散々確認したのですが、
「現金で受け取りたいのです」
と強く求められたため、現金で返金しました。
現金で受け取りたいという人は一定数いますね。
弁護士業務でも300万円という現金を手にすることは、あまり多くありません。
不動産売買の決済くらいでしょうか。
そのため、多額の現金を持っていると緊張します。
銀行でお金を受け取るのですが、周囲が全て敵に見えます。
銀行の建物から出る際にも、背後に気を使います。
銀行の出入り口付近で電話をしている人物、イヤホンをしている人物を見れば、
「いま、300万円を持った男がそっちに行った。大きな黒いバッグを持ったスーツの男だ」
などと連絡を取り合っているのではないかと考えてしまいます。
無事に事務所に戻り、依頼者にお返しすると、金額を確認もせずにバッグにざっくりを入れて、
「ありがとうございました~」
なんて軽い足取りで帰って行かれると、心配になります。
幸い、事務所からの帰りに襲われたという報告を受けたことはないので、みなさん、ちゃんと無事に帰られたのでしょう。
300万円くらいで、この緊張度なので、交通事故とか相続などの事件で、数千万円、億単位のお金を
現金で受け取りたい
などと言われた日には、もう銀行に来てもらおうと考えています。
みなさんが、誰一人、被害に遭わないよう願っています(もちろん私も含めて)。
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